フォーリサローネ編 続編

今回も前回にひきつづきフォーリサローネについてご紹介します。

ミラノデザインウィークでは、ルイ・ヴィトンやエルメスなどのハイブランドも家具やインテリアの展示、没入型のインスタレーションをミラノ市内の歴史的建造物などで多数発表しており、どの展示も非常に人気で入場を待つ長い行列ができるほど注目を集めていました。

ルイ・ヴィトンの展示は「Serbelloni(セルベッローニ)」という、18世紀後半に建設され、ナポレオンも滞在したといわれる歴史のある宮殿で行われました。幾何学的なデザインと大胆な素材使いを特徴とするアール・デコを代表するアーティストであるピエール・ルグランにオマージュを捧げたコレクションとなっており、家具をはじめ、テーブルウェア、テキスタイルなど幅広いアイテムが発表されていました。

レザーを組み合わせた羽がモチーフとなったモビールに導かれながら、らせん階段を上ってジャンガレアッツォの間へ。

部屋に足を踏み入れると、初期のトランクをはじめ、旅にまつわる様々なオブジェが展示されていました。

グラフィカルなテキスタイルやラッカー仕上げの家具等が展示されたナポレオニカの間。テキスタイルの柄とステンドグラスのデザインをリンクさせるなど、空間全体で世界観をつくり上げているところも素敵でした。

幾何学模様のテーブルクロスとクラシックなテーブルコーディネートの組み合わせが印象的。モダンな柄とクラシックなスタイルが絶妙にマッチしています。

続いてはエルメスへ。

エントランスでは真っ白のユニフォームにエルメスのスカーフを身に着けたスタッフがお出迎え。

奥へ進むと石膏で作られた大小さまざまな立方体を都市の街並みに見立て、街を歩きながら新作のホームコレクションと出会う、という趣向の展示になっていました。

ブランドのイニシャル「H」をモチーフにしたアヴァロンシリーズや、馬具、幾何学模様をあしらったエルメスらしいプレードの数々。

エルメスといえば上質なレザーのイメージが強いですが、今年の展示ではトレンドのメタルを取り入れたものが多くみられ、素材の組み合わせにも新鮮さを感じました。

続いてはイタリアの照明ブランド「FOSCARINI(フォスカリーニ)」の展示へ。

ヴェネツィアン・グラスの伝統的なクラフトマンシップを継承しながら、炭素繊維等の現代的な素材やテクノロジーも積極的に取り入れて、多くの著名なデザイナーとのコラボレーションを通じて革新的で個性豊かな照明を生み出しているブランドです。

吹抜には自転車の車輪(Spokes)をモチーフにデザインされたペンダント照明SPOKESの多灯吊りが。ランタンや鳥かごのような軽やかなデザインで圧迫感を感じさせず、天井面に浮かび上がるフレームのシルエットがとても美しい照明です。実際に弊社のお客様にもご採用いただき、とても気に入っていただいたこともあり、個人的にも思い入れのある照明のひとつです。

こちらはAsteriaというペンダントライト。伝統的なシャンデリアの原型をミニマルな構成要素へと回帰させることで再解釈し作られたそうです。アルミニウム製のアームで構成されたシンプルなフォルムながら、どこか優雅な雰囲気も感じられる照明です。

こちらは「Knitted Light(編んだ光)」と題されたインスタレーション。柔らかく透過性のある糸やメッシュ素材を通して、光がまるで彫刻のように空間を形づくる演出がされていました。織物と光が重なり合う様子が美しく、幻想的な空間が広がっていました。

続いて向かったのは、イタリアの高級建具・家具ブランド「Rimadesio(リマデジオ)」のショールーム。

ガラスと精緻なアルミフレーム技術を軸に、空間を美しく仕切るスライディングドアをはじめ、ウォークインクローゼットや家具などを展開していました。

家具や壁面に仕込まれた間接照明がシャープなフォルムや素材の美しさを際立たせています。

今年の秋には、ドイツのプレミアムキッチンブランド「SieMatic」とリマデジオを組み合わせた、トータルインテリアを提案するショールームが東京にオープン予定との事なのでぜひ一度訪れてみたいと思います。

他にもたくさんのショールームを巡りましたが、各ブランドの展示はどれも美しく、ファブリックや小物の合わせ方、照明器具の演出の仕方など、参考になるアイデアがたくさんありました。

最後にご紹介するのはフォーリサローネの中でも特に話題を集める「Alcova」です。

Alcovaとは、2018年にデザインとものづくりの未来を探求するために設立された国際的なプラットフォームで、普段は非公開であったり放置されていた建築的・歴史的に価値のある場所を毎年特設会場として蘇らせています。

今年は旧バッジョ軍事病院跡が会場に選ばれ、約12万平方メートルの敷地に点在する約100年前の建物と庭に様々な展示やインスタレーションが点在していました。

こちらは礼拝堂を会場とした音、光、素材、テクノロジーを重ねた没入型展示。写真中央の青い部分がスクリーンのようになっており、音に合わせて表情が変化していく様子がとても美しかったです。

新進気鋭のアーティスト達による作品の数々と廃墟とのコントラストが独特の世界観を作り出していました。

難解すぎて理解できない展示も多かったのですが、どの展示もエネルギーに溢れており、とても刺激的な会場でした。

今回で数回にわたってお届けしてきたミラノデザインウィークの視察レポートはひとまず終了です。

サローネ本会場からミラノ市内で開催されたフォーリサローネまで、短い滞在期間の中で本当にたくさんの展示や空間に触れることができました。

最新のデザインやトレンドはもちろん、素材の組み合わせ方や照明の使い方、空間の見せ方など、今後のインテリア提案にも取り入れていきたいアイデアがたくさん見つかった視察となりました。

次回は番外編として、ミラノ滞在中に訪れたスイスの視察レポートをお届けしたいと思います。ミラノとはまた違った、豊かな自然に囲まれた美しい街並みや建築、印象に残った場所などをご紹介していく予定です。

 

 

 

 

 
 
 
 
 
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