皆さんこんにちは、デザインウォール設計事務所です^^
本日も前回に引き続き、Q値とUA値についてお話ししていきます。
前回のブログで、住宅による数値の不公平性をなくすために、断熱性能を表す数値がQ値からUA値に変更になったとお話ししました。
★一見Q値からUA値に変更されたことで住宅による不公平性がなくなり改善されたように見えますが、実際はどうなのでしょうか…?
前回のQ値とUA値の違いという項目で、Q値は換気による熱損失量を含めて算出されますが、UA値は換気による熱損失量を含まず算出されるとご説明しました。
そのため設置する24時間換気システムの性能により、UA値の数値と実際の住み心地に差が生まれることもあります。
そして、UA値は換気による熱損失だけでなく、住宅のスキマから逃げる熱量も含んでいないため、実際の性能を正確に表しているとは言えないのが現状です。
本当に住宅による不公平性を解消したいのであれば、延べ外皮面積で算出するUA値に換気や住宅のスキマによる熱損失量を含んで計算すれば良いのでは?と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実はこの疑問がQ値がUA値へ変更された理由とも関わってきます。
Q値からUA値に指標が変更されたと同時に、住宅に存在するスキマの総量を表すC値の基準が削除されました。C値については過去のブログで詳しく取り上げていますので、そちらをご参照ください。
住宅のスキマによる熱損失量はC値を算出しなくては求められません。
また、Q値を算出する際にはC値の算出が必要ですが、UA値を算出する際にはC値は必要ありません。
C値は住宅が完成した後、現場で実測しなければ求められません。そして住宅完成後実際に計測し、基準値を満たしていなかった場合、そのスキマを埋めるためには完成している部分をもう一度やり直さなければいけないので、時間もコストもかかってしまいます。
そのためC値の算出をしたがらない業者も存在し、必ずC値を算出しなくてはいけない断熱等級のQ値を良く思わない勢力も存在したということです。
つまり
断熱等級の指標Q値を算出するためにはC値の算出が必要
↓
時間もコストもかかるからC値を算出したくない
↓
適当な理由をつけてC値を算出しなくて済む断熱等級の指標に変更しよう
↓
C値を算出しなくても良いUA値に変更
↓
同時にC値の基準も削除
という感じです。
Q値からUA値に変更された主な理由は「住宅による不公平性をなくすため」でしたが、「面倒くさいC値の算出をなくすため」という理由も存在していたということです。
なのでUA値に換気やスキマによる熱損失を加えれば良いのでは?という先ほどの疑問ですが、これらの熱損失を加えるとなると結局C値が必要になってくるので、UA値に変更した意味がなくなってしまいます。
このような理由でQ値から変更されたUA値だけを見て断熱性能を良くしたと思っていても、気密性能(C値)を疎かにしていては、省エネや快適とは言えない住宅になってしまうというわけです。
そのためデザインウォール設計事務所では、UA値の算出はもちろん、現在一般的には計算されていないQ値も計算しています。
C値の測定も1棟ごとにおこない、お客様が省エネで快適に暮らせる家づくりをしています。
以上、Q値とUA値についてのお話でした。
いかがだったでしょうか?
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